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男たちの大和 [DVDをみた]

男たちの大和を見ました。
ネタバレがありますので注意して読んで下さい(^_^)b

結論から言って、「あぁ、やっぱり邦画はこの程度か」でした。
低予算から来る映像の迫力欠乏、お涙頂戴のストーリーに固執するあまりにキャラクターを描き切れず、人物の一面しか見せないために起こる不可解な行動。
決して悪い映画ではありませんが、邦画を見る時はつい今までの陳腐さを打開してくれる事を期待してしまいます。
この男たちの大和も、やはり亡国のイージスやローレライと同じ、チャキチャキの邦画でした。

まずは映像の迫力不足。
ハリウッド映画に見慣れている観客には、大和の実物大セットはそんなにインパクトがありません。
全体をじっくり見せてくれるシーンは全く無く、出航シーンすらありません。
出てくるのは暗がりの左舷甲板だけです。大和の巨大さが全く表現されていません。
敵の戦闘機もアップばかりでどれほどの数に襲われているのか実感できません。せめて機銃側から迫り来る戦闘機を捕らえたシーンがあれば違っていたと思います。
機銃掃射を受けるシーンでも、血のりを塗ってから撮影スタートがかかった芝居です。手足が吹っ飛ぶ程度しか描写されていなくて、痛さにのたうちまわる者はひとりもいません。
沈没するシーンも現実感が全く無く、板切れにつかまった程度で仲良くプカプカ浮いています。

次にキャラクター描写の欠乏です。
内田が奇跡的に生還したことが判明したけど、どうやって内田が生き残ったかが全く描かれていません。
それに、終戦後に多数の戦災孤児を育てたとの事ですが、恋人は広島で被爆したとするよりも、生き残って一緒に頑張ったとするのが普通でしょう。
神尾は生還した後、普通だったら戦友の母親に会いに行くよりも先に自身の恋人に会いに行くのが普通だと思います。
しかも文句言われてまで田植えしている暇はなかったハズです。
「死に方用意」で大和の乗組員は揃って泣きわめいていますが、全員のここへきた背景が見えないので興醒めです。
少しでも経過がわかっている人物に絞った方がよかったのではないでしょうか?

で、不可解な行動の数々。
普通の大人なら、散骨を望む場合事前に役所や漁業組合に事情を説明して相談するでしょう。
いきなり無断で人様の子供まで巻き込んで出航するのは不自然すぎです。
森脇は母と妹をそんなに案じるなら、出撃前になぜ賭場で不利な半に賭けてしまうのでしょう?お金があるなら少しでも大切な母と妹に送ると思います。
内田がこっそり大和に忍び込むのもウソ臭いですし、烹炊班長が配置を離れて銃座で弾を補充するなんて有り得ない話です。
乗組員が艦内のあちこちで喧嘩ばかりしているのもおかしいですし、 艦長がむき出しの防空指揮所にいるのもおかしいと思いました。

結局、詰めが甘いと思います。
邦画全てに言える事ですが、どこを取っても中途半端で、いつも見終わってから結局何が言いたかったのだろうと思うのです。
男たちの大和は、悪い映画では無いのですが、良い映画でもありませんでした。
今後製作される邦画が、期待を裏切らないでくれる事を願います。


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