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ダンボー 製作記 [ダンボー 製作記]

DORO☆OFF展示会でみんなで持ち寄る事になった、コトブキヤさんのダンボー。
準備やらなんやらで忙しく、製作期間は5日しかありませんでした(^_^;)
アイディアは固まっていたので、突貫工事で製作しています。
そのため、製作記として公開する事をあきらめて、途中写真もほとんど残していませんでした。
でも、会場では思いの他好評で、どんなシカケなのかたくさんの質問が寄せられたため、簡単ではありますが製作記として記事にしたいと思います(^^♪

ダンボー自体は、ダンボールの折込みをスジ彫りした程度で、ほとんど素組みです(^_^*)
ダンボー・システム.jpg
10円を入れると、ダンボーが動いてしゃべって挨拶するギミックを盛り込んでみました。
内部にアンプを組み込む時間が無くて、音声は外付けのスピーカーから発声させています(^_^*)
展示会では、特にお子さんが喜んで何度も10円を入れていて、製作者としては最高に嬉しかったです(^^♪

動作の様子ですが、文章で書くより見て頂いた方がわかりやすいと思うので、YouTubeに動画としてアップしました。

10円を入れると、頭をあげて、両手を挙げたりパタパタした後、おじきをします(^^)/
動作に合わせて、口が光ったり声が出てくるので、見ていて楽しいギミックになったと思います。
一見、複雑な動きに見えますが、実はとっても単純な構造になっていて、使用しているモーターは1個だけです(^_^;)
ダンボー内部.jpg
A ラジコン用のサーボモーターです。
  出来るだけ小型のものが良かったので、トルクに不安を感じつつ、秋月さんで800円で
  購入しました。

頭部や腰は、回転軸を作りなおし、スプリングで保持されています。
サーボモーターのトルクが小さいので、スプリングで重量バランスを調整し、少ない力で大きな動きが出来るように工夫しています。

動作は全て、1枚のプラ板の平行移動から作り出しています。
動作の仕組み.jpg
A 首を上げるためのアーム部分です。
  完全に上を向いても、スプリングのおかげで更に上に移動できる仕組みになっています。
B 更に上に移動すると、この磁石が腕の動作ロッドの間に入り込みます。
  両腕の動作ロッドの根元には、磁石が取り付けられています。
  普段は引き付けあって腕が閉じていますが、NS逆になっているBの磁石が入り込むと、
  両方の磁石が反発して腕を押し出し、両腕が開く構造になっています。
C 腕の付け根に仕込んである磁石です。
  挙げた時にプラにぶつかってカチンと音がしてしまうので、マスキングテープを巻いて消音
  しています(^_^*)
  消音の効果はイマイチで、突貫工事であるが故の手抜き部分ですね。
D サーボモーターの回転は、このクランクで上下運動に換えられます。
  ハトメを使って、出来るだけ摩擦を減らす工夫をしています。
  この部分に全ての力が集中するので、金属を使って耐久性を上げました。
E 腰の部分も回転軸を新規に作りました。
  スプリングは、回転させるとテンションを調節できる構造にしておき、最後に重量バランス
  を見ながら固定しています。
  突起部分が下に移動する事で腰が曲がり、戻りはスプリングの力に頼っています。

今回はロボットらしさを表現したかったので、サーボモーターも回転速度の制御をしませんでした。
キュッと回ってピタッと止まる動作なので、スプリングによる揺れが加わり、ロボットダンスみたいな動きになりました(^^♪

目と口にもLEDを仕込んで発光させています。
目と口にLED.jpg
目はパイプに白色LEDを2個仕込んで、同時に発光させています。
口は開口して裏側を削り、赤色のLEDを内蔵しました。
遮光のためにプラ板とパテで囲みましたが、スキマを作っておいて画像の様に紙を差し込んでマスキングしてあります。
塗装後に紙を抜いてスモークのプラ板を差込み、またパテを盛って遮光する手順としました。

サーボモーターの制御と、MP3のコントロールはPICマイコンです。
ダンボーご挨拶回路.jpg
今回も制御する本数が少なくて済みますので、8PINのPIC12F675を使用しました。
GPIO3以外は全てデジタル出力モードで使用しています。
入力はプルアップされたスイッチの接点を監視する事でスタートさせています。
GPIO3は、内部でプルアップされているので、こうしないとうまく動作しません。
サーボモーターとMP3プレーヤーは、電源を切るためにリレーを使いました。
9V電池でも動作できるようにしたかったので、消費電力を抑えるために電源を切る機能を付けています。
その後の実験で、9V電池ではサーボモーターの電力が不足する事がわかったので、実は無駄な追加機能でした(+_+)
でも、MP3プレーヤーへのスタート信号としてリレーは必要だったので、こちらは活用しています(^_^*)
PICの出力ではリレーを動作させられないので、トランジスタを使ってスイッチングしています。
GPIO4は、サーボモーターへのパルス出力です。
サーボモーターはパルス幅を変える事で回転角が決まり、電源を切ってもその位置を保持してくれます。
待機時の位置、頭を上げるだけの位置、両手を挙げる位置、おじぎをする位置と、それぞれのパルスを与えることでサーボモーターの回転角をコントロールします。
このパルス幅は微妙なのですが、現物合わせで調整しています(^_^;)

ベースは、100均のケースを利用しました。
ケースの加工.jpg
A 波型のモールドが付いたケースに、0.3ミリのプラ板を貼り付け、ダンボールの断面に
  見える加工をしました。
  その後消しゴムでこすって微妙な凹凸を付けておき、塗装後に指にパステルを付けて
  こする事で表情を付けています。
B 当初はNapionという赤外線人体感知センサーを使い、人が近付くと動き出すダンボー
  にする予定でした。
  でも、センサーの感度が良すぎて2m先からでも動き出してしまい、展示会ではあいさつ
  しっぱなしになります(^_^*)
  コミック原作の「ボクはお金で動く」に習い、お金を入れると動き出す仕様に変更しました。
  この時すでに締め切り2日前です(^_^;)

ベースの内部です。
ベースの内部.jpg
A 100均の、シガーライターからUSB電源を取るコンバーターです。
  USB端子からMP3プレーヤーの電源も供給していますが、リレーを通してありますの
  で、普段はOFFです。
B MP3プレーヤーです。
  今回はアンプの製作が間に合わなかったので、後ろからヘッドフォン端子を出しました。
C PIC制御基盤です。
  8本足のICがPICですが、こんな小さなチップがダンボー全てを動かしているんですよね
D 10円を感知するマイクロスイッチです。
  重さの僅かな動きでスイッチがONになる位置で固定しています。

MP3プレーヤーで、音声も再現しています。
MP3プレーヤー.jpg
A 秋葉原で500円で購入したMP3プレーヤーです(^_^*)
  電源投入で、MicroSDに入っている音楽を最初から再生します。
  高級なMP3プレーヤーは、前回中断した位置を覚えているので、途中から再生が始ま
  ってしまいますが、このプレーヤーはアンポンタンなので、常に最初から再生します。
  常に最初から再生してくれるので、今回の製作には好都合でした(^^♪
B 分解して、バッテリーやスイッチなど、余分な部分を取り外して設置しました。
  音声はMicroSDに記録しますが、一連の動作が出来てからタイミングを合わせて編集
  したデータを書き込んでいます。
  容量はそれほど必要ではないので、古い携帯のSDカードを流用しました。
C ダンボーはカクンカクンとした動きになるので、ベースへはネジ留めでしっかり固定しま
  した。

10円の投入口周辺です。
コイン投入口.jpg
A マイクロスイッチは、10円玉の重みでONになりますが、あまりリーチがあると取り出し
  口から出しにくくなります。
  ちょうど僅かに沈めばONになる位置に、ビスで固定しました。
  10円玉の重みでもONになるように、3ミリ角棒で引き伸ばした位置に設置しています。

余談ですが、全てプログラミングが終わって動作テストをしている時、10円が取り出し口に残っているとまた挨拶が始まってしまう事に気付きました(^_^;)
挨拶が終わったら取り出し口をチェックして、10円玉が残っている時は取り出されるまで待つようにプログラムを変更しています。
これも一種のバグだと思いますが、実際に動作させないとわからない事がありますね(^^♪

簡単ではありますが、一通りの製作内容を記事にしてみました。
途中経過の画像がほとんどありませんので、ちょっとわかりにくい部分もあると思います(+_+)
展示会の後、アンプとスピーカーを内蔵させようと思っていたのですが、どうせ12Vのアダプタが無いと動かないので、このままいじらないでおきます。
今後は色々な展示会に連れて行って、みなさんにごあいさつさせようと思いますので、見掛けたらぜひ遊んであげて下さいね(^^)/

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コメント(24) 

コメント 24

ちょうぎ

製作記キター━━ヽ(´ー`)ノ━━
この作品は中身がどうなってるか見ると驚きが増しますよね。
展示会で説明を聞いたときにあらためてどろぼうひげさんを
「なんなんだこの人は」って見つめ直しちゃいましたよ(^^;

あ、これって商品化のお話来てたりしませんかw
by ちょうぎ (2012-09-21 12:27) 

ねここねこ

展示会お疲れ様でした!
レポートも楽しく見せていただきましたっ。
みなさんの作品クオリティの高さももちろんですが
ジャンルの広さにも驚くばかりで、生で見る事ができなかった
無念さを噛み締めていたところでこのダンボー!!
まさかあの仕掛けがここまでの動きになるとは...。
アングリしております。
いやぁもう素敵です。
by ねここねこ (2012-09-21 13:38) 

SOL

このメカニズムを考えるのが大変なんです!
モーター1個でこの動きを再現するアイディアがすんごいです!

一つ質問なんですが、電動モーターをACアダプター電源で動かすにはどうしたらいいんでしょう?

電池では展示会で長時間展示にはむきませんから・・・・

実はイオンキャノンもそうしたかった・・・・

この100均のシガーライターからUSB電源を取るコンバーターを使用するんでしょうか?

わたしこの分野は苦手で配線図をみてもサッパリなもんで・・・

雑談するとみなさんここでつまずくようで、ギミックへの挑戦を断念した方も多数だったそうです。


でもこの方法がわかれば今後のギミック作品に活用できそうです!

小学生でもわかるように、ACアダプターからこれつないで、このモータを・・・
と「電飾しましょ」みたいに・・・・(~_~;)


お暇な時にでも教えてください!
by SOL (2012-09-21 14:38) 

Ohtoro

5日で作ったとは思えない濃さですね(^^;
会場でも説明して頂きましたが、製作記見ても動作のリンクが完全に理解できてないかも・・・。
そして、もしかして、この構想は「コトブキヤの時」既に頭の中にあったのですか??
オドロキの宝庫ですねぇ~
by Ohtoro (2012-09-21 15:28) 

シック・スカート

素晴しい(*^^*)
by シック・スカート (2012-09-21 16:43) 

ピコ

とうとう模型はここまできたか・・・と衝撃を受けた作品です(^^;

しかも制作に5日間しかかかっていないなんて、もう超人としか言いようがないです!
by ピコ (2012-09-21 20:37) 

ぴろんちょ

コレはねぇ~初見時になにか既成のロボットにダンボーを着せているんだと思った、、、がなんと!動作は全てヒゲ氏作と知り、おったまげた!!!
by ぴろんちょ (2012-09-21 23:50) 

どろぼうひげ

ちょうぎ さん、こんばんは(^^♪
頭は合わせ目を消すために接着してしまいましたが、胴体はメンテナンスのために取り外せるようにして置いて良かったです(^_^*)
こんなに喜んで頂けるなら、ちゃんと製作途中の写真を撮って置けばよかったですね。
そんなに見つめられても、禁断の世界ですので応えられませんよ(^_^*)
ちなみに、商品化のお話は全くありません(^_^;)

by どろぼうひげ (2012-09-22 00:59) 

どろぼうひげ

ねここねこ さん、こんばんは(^^♪
本当は会場で実物を見て頂きたかったのですが、せめて写真でお楽しみ頂ければ幸いです(^^)/
そういえば、ぐんもさんの時に、おおよその仕掛けをお話ししましたね(^_^*)
実際に製作を開始したのは翌週からでしたが、そのおかげで両手の動きを磁石にする事を思い付いています(^^♪
製作会の時にでもお持ちしますね(^^)/

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:04) 

chandler2001

単に重さでスイッチが入っているんだと思っていましたが、センサーまで自在に操るとは…。
あの声はどうやってつくられたんでしょう?
何かのサンプリング?
by chandler2001 (2012-09-22 01:05) 

どろぼうひげ

SOLさん、こんばんは(^^♪
ご質問はDCモーターの事ですよね。
それなら、モーターコントロールICを使うのが確実だと思います。
シャトル・タイデリアム製作記で、タミヤのギヤボックスを活用していますので、ぜひご一読下さい(^^)/
12VのACアダプタから、100均のUSB電源コンバータを使って電源を作れば確実に動作すると思います。
すみませんが、アドバイス出来るのはここまでで、自分で作っていないものを、こうしなさいと説明することは出来ません(+_+)
モーターは起電力やノイズなど、問題が多いアイテムなんですよ(-_-;)
そのうち必要に迫られてDCモーターも使うと思いますので、自分で検証したものを公開したいと思います。
それから、一度メール頂けませんか?
こんなところに書くのは不合理ですが、コメントもDMも届いていない様なので(^_^;)

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:16) 

どろぼうひげ

Ohtoro さん、こんばんは(^^♪
ちゃんとした写真が無いし、急ぎ足で説明していますので、わかりにくい記事だと思います。ごめんなさいm(__)m
荒川さんの個展の時は、まだキットを入手したばかりでしたが、あいさつするダンボーにしたいという考えはありました(^_^*)
その日に秋月さんでサーボモーターを買っています(^^♪

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:20) 

どろぼうひげ

シック・スカート さん、こんばんは(^^♪
ありがとうございますm(__)m
もし、荷物に余裕があれば、このダンボーも連れて行きたいと思っています(^^)/

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:21) 

ibiza

展示会、すごく刺激になりましたし、楽しめました。
また、コメントもありがとうございます。
画像の件はどろぼうひげさんの『バックアップブログ』のほうに
入れさせて頂きましたのでご確認頂ければと思います。^^
by ibiza (2012-09-22 01:21) 

どろぼうひげ

ピコさん、こんばんは(^^♪
自分でも、こんなにみなさんに喜んで頂けるとは予想外でした(^_^*)
急いで作ったので、本当はグチャグチャの内部は見せたく無かったのですが(^_^;)

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:23) 

どろぼうひげ

ぴろんちょ さん、こんばんは(^^♪
探せば既製品であったのかも知れませんが、製作時間が無かったので全部作っちゃいました(^_^*)
自作の方がタイミングなどを自由にコントロール出来るので都合が良かったかも知れません。
何より、作っていて楽しかった(^^♪

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:26) 

どろぼうひげ

chandler2001 さん、こんばんは(^^♪
PICはプログラム次第で機能を追加する事が出来るので、大変便利です(^^)/
この作品もハードが単純でも、ソフトでコントロールする事で複雑な動きをさせています(^^♪
すみませんが、声は企業秘密とさせて下さいm(__)m

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:30) 

どろぼうひげ

ibiza さん、こんばんは(^^♪
ご来場、ありがとうございました(^^)/
今度来た時には、ぜひ声を掛けてくださいね(^^♪
バックアップ…もうすっかり忘れていました(^_^*)
早速見てみますね。
出来れば、画像の公開許可を頂きたいのですが、よろしいでしょうか?

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:32) 

ibiza

どろぼうひげさんの作品をこちらがいじらさせてもらってるので
私が許可云々とかとんでもないですよーー;(汗
なので、もちろんオッケーです!
by ibiza (2012-09-22 01:36) 

どろぼうひげ

ibiza さん、ありがとうございます(^^♪
画像拝見しました(^^)/
是非お願いしたいので、メルアドを内緒コメします。
よろしくお願いしますm(__)m

by どろぼうひげ (2012-09-22 01:45) 

MACK

ダンボーの生解説、聞きたかったです~!(◎_◎;)アイデア、工作、スピード、、、吉野家もびっくりです(^_^;)
また、実物を見る機会がありましたら、ぜひ、中身を見せて欲しいです~SOLさんの質問、、わたしもシャトルの製作記、拝見してきます!
by MACK (2012-09-22 20:50) 

pikamaniac!

(゜_゜;)
ダツボウ。。。
by pikamaniac! (2012-09-23 22:31) 

どろぼうひげ

MACKさん、こんばんは(^^♪
今度お会いした時、よろこんで解説させて頂きますよー(^^)/
もちろん、中身も見て頂いた方が説明しやすいので、じっくりご覧下さい(^^♪
DCモーターの制御は、実はとても難しいです。
発熱やパーツを壊すキケンがあるため、ボクも無責任な説明は避けたいというのが本音です(-_-;)
要望は多いと思いますので、いつか記事にしたいと思っています(^^♪

by どろぼうひげ (2012-09-28 17:32) 

どろぼうひげ

pikamaniac!さん、こんばんは(^^♪
ダンボーの製作記は、既に他の記事の10倍以上も参照されています(^_^*)
こんなに要望があるなら、ちゃんと途中経過の画像も押さえておけば良かったです(>_<)

by どろぼうひげ (2012-09-28 17:35) 

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