ガルウィング [デロリアン製作記]
今回はドアをカットして内装をスリ合わせ、ガルウィングの開閉化をします。
デロリアンと言えば、ドアがカモメの様に開くガルウイングですね。
キットでは開閉可能にはなっておりませんので、劇中同様に開閉出来るように改造してみます。
まずはドアのカットです。
0.1mmBMCタガネ、エッチングソー、0.3mmピンバイスを使って、左右のドアを切り出しました。
ピラーの部分はとても細いので、綺麗に切り出すにはある程度のスキルが要求されます。
実際にどんなところに気を付けて、どの様に道具を使って切り出すのか、YouTubeのライブで実演していますので、そちらをご覧になって下さった方が判り易いと思います。
久し振りのライブでしたので、ちょっとバランスがおかしいところはありますが、カットの方法を一通り実演しています。
「どろぼうひげのらいぶ」
https://youtu.be/ZoS23I33Yp4
始まりの15分は飛ばしてください。
カット作業自体は30分程度で終了します。
フロントウィンドウもカットします。
ドアが開きますので、フロントガラスは切り離す必要があります。
クリアーパーツは、ちょっとした力でヒビが入ったりキズが付いてしまいますので、慎重に切り離します。
やはりタガネで溝を彫って、エッチングソーで切り出す方法でカットしましたが、少しだけ欠けてしまいました。
ヤスリで均してコンパウンドで磨き、目立たなくリカバリーしましたけど、角度によって屈折がおかしく見えてしまいます。
これからカットする方は、十分に気を付けて作業して下さいね。
内装もドアに合わせてカットします。
多くのカーモデルがそうである様に、このキットも内装がバスタブ状になっていて、そこにボディーを被せる仕様になっています。
両脇の、ドアと一緒に開く部分を切り離しました。
ドアの内張り部分以外は、内装に接着しました。
内装に接着して、ボディーに収めた時に位置を固定するためのフックを取り付けました。
内装を固定する位置は、キットを組んだ時の固定位置より、ドアの内張りと合う位置を優先します。
キットの位置は0.5mm程違っていましたが、多少位置が動いても問題ない様に電飾部品をレイアウトしていたので大丈夫です。
ボディーとの位置関係は重要です。
何度取り外ししても確実に同じ位置に収まる様に、内装に付けたフックとボディーの受け部分を調整します。
内装の位置がしっかり固定されていないと、フロントガラスが上手く入らなかったり、ボディーが歪んでドアがピッタリ閉じなくなってしまうので、じっくり時間を掛けて確実な位置に調整します。
ドアが開いたときに見える部分を塞ぎます。
プラ板を貼って見える部分を塞ぎました。
ここは綺麗な平面を出しておきたい部分ですので、1mmのプラ板を貼り付けています。
ドアのロック部分を追加します。
ドアを閉めた時に、ドア側のフックがピンを咥えてロックされますが、実車でもピンが確認出来ますので追加します。
今回の工作では、同じ仕組みでドアをロックさせるわけではなく、あくまでデティールのひとつです。
ちょっと形状が違うのですが、虫ピンの頭を埋め込んで再現してみました。
ピンの下にある5mmにも満たないパーツがそれです。
内装とのスキマをプラ板で塞ぎます。
0.5mmのプラ板で、ボディーと内装のスキマを塞ぎました。
内装をハメる時、引っ掛けて破損させてしまう恐れがありますので、ちょっと厚めの0.5mmのプラ板を使用し、補強もガッツリ入れています。
工作としては、ボディーの断面にプラ板を貼って成型した方が楽なのですが、実車ではボデイーから少し奥に壁が付いている部分があるし、ドアとのスキマがタイトなので、わざわざプラ板をスリ合わせてボディーの内側に接着しています。
内装とのスキマが塞がりました。
ボディーとスキマが出来てしまっている部分があるので、後でパテで埋める必要があります。
ドアのロック部分など、実車に近い雰囲気にはなったと思います。
サイドステップには滑り止めのギャザーを彫りましたが、GMCのロゴはサスガに再現できませんでした。
続いて、ガルウィング化です。
まずはドアを開閉可能にするヒンジを製作します。
0.6mmのピアノ線を曲げて、可動軸を作りました。
単純に金属線を1本通せば良いのに、ドアの天井をいっぱいに使ってクランク状に曲げたピアノ線を使います。
その理由は後述しますね。
コレをドアの天井に固定します。
プラ板を使って、ピアノ線を挟むかたちで固定しています。
ヒンジは、出来るだけドアのエッジギリギリにして、開けた時にボディーに食い込む量を最小にします。
でも、なぜか開閉する部分の断面が直線ではなく、外側に向かって膨らんだ形状をしているので、どこにも干渉せずに開閉させるためには、大きなスキマが必要になってしまいます。
こんなに大きなスキマがあっては、美観が台無しですね。
そこでヒンジを受ける部分にスキマを作って、ヒンジ自体が逃げてくれる構造にします。
受け部分に2mmのスキマを作り、ヒンジが移動できる様にしました。
ドアがボディーと干渉しても、ヒンジが移動して逃げることが出来ますから、ピッタリと閉じる事もできるし、ちゃんと開ける事も出来る様になりました。
ただ、閉じた時に出来るスキマは、手動で閉じなくてはなりません。
このヘンテコな動作は、ダンパーを追加することで解決されますので、後述しますね。
その前に、どうしてヒンジを複雑なクランク状にしたのかですが、ごらんの様にヒンジを押して引っ込ませる事が出来るようにするためです。
爪楊枝の様に先の細いもので押せば、ドアを簡単に外すことが可能です。
まだドアの内装も作っていないし、ダンパーのメンテナンスなど、ドアを簡単に外せる様にしておくと、何かと都合が良いのです。
ドアを開けた時に状態を保持できるダンパーを追加します。
実車にもエアーダンパーが付いていて、ドアを開けたままでも落ちてきたりしません。
問題は小さいので、実物と同じ機能を持ったダンパーを、どうやって作るかです。
色々と悩んだ結果、図の様な構造で製作してみました。
真鍮パイプとピアノ線でシリンダーを作ります。
A 外径0.9mm 内径0.7mmの真鍮パイプです。
長さ1cmに切り出し、片側2mmをペンチで潰して平面を作り、0.6mmの
穴を開けました。
反対側はほんの少し潰して、ロッドがやっとスライドできる口径にしました。
B ロッドは0.6mmのピアノ線です。
真鍮や銅よりも硬くて変形したりしません。
片方を90度に曲げて回転軸にしました。
C ロッドやシリンダーを固定する受け部分です。
0.6mmの穴を開けた、1mmプラ板です。
接着面積を出来るだけ大きくしたいので、台形に切り出しました。
ロッドとシリンダーを軸受けに取り付けます。
ロッドは軸受けに差し込んでから先端を潰して、抜け落ちない様にしています。
シリンダーは軸受けにNo.004の虫ピンで固定しました。
反対側に瞬着を盛って固定しています。
これで稼動するダンパーが出来ました。
ドアにダンパーを取り付けます。
ダンパーは、ドアの開閉時に邪魔にならない様に、少々ナナメに取り付けました。
実車でもこの位置にダンパーがありますが、これでもオーバースケールです。
これ以上小さく作ると強度が不安になりますので、致し方ありません。
ガルウィングを開閉可能となりました。
ダンパーの真鍮線を潰しておいたおかげで、ドアの重さ程度なら余裕で支えてくれます。
ロッドとシリンダーは金属同士なので、簡単にはヘタれませんけど、何度も開閉していると保持力が低下してくる恐れがあります。
そんな時は、ドアを簡単に取り外して、シリンダーをまたちょっと潰せば復活できるワケです。
ダンパーは両方のドアに付けたので、どちらも開閉できる様になりました。
ダンパーを付けたことで、閉める時にドアの隙間を無くす方向に力が加わることになります。
ヒンジが移動するためにできてしまっていた隙間は、普通に開閉するだけで自然に塞がってしまう嬉しい効果もあるのでした。
次回も内装の工作が続くと思います。
模型としては、電飾の工作より重要な部分ですので、手を抜かないで工作したいと思います。
デロリアンと言えば、ドアがカモメの様に開くガルウイングですね。
キットでは開閉可能にはなっておりませんので、劇中同様に開閉出来るように改造してみます。
まずはドアのカットです。
0.1mmBMCタガネ、エッチングソー、0.3mmピンバイスを使って、左右のドアを切り出しました。
ピラーの部分はとても細いので、綺麗に切り出すにはある程度のスキルが要求されます。
実際にどんなところに気を付けて、どの様に道具を使って切り出すのか、YouTubeのライブで実演していますので、そちらをご覧になって下さった方が判り易いと思います。
久し振りのライブでしたので、ちょっとバランスがおかしいところはありますが、カットの方法を一通り実演しています。
「どろぼうひげのらいぶ」
https://youtu.be/ZoS23I33Yp4
始まりの15分は飛ばしてください。
カット作業自体は30分程度で終了します。
フロントウィンドウもカットします。
ドアが開きますので、フロントガラスは切り離す必要があります。
クリアーパーツは、ちょっとした力でヒビが入ったりキズが付いてしまいますので、慎重に切り離します。
やはりタガネで溝を彫って、エッチングソーで切り出す方法でカットしましたが、少しだけ欠けてしまいました。
ヤスリで均してコンパウンドで磨き、目立たなくリカバリーしましたけど、角度によって屈折がおかしく見えてしまいます。
これからカットする方は、十分に気を付けて作業して下さいね。
内装もドアに合わせてカットします。
多くのカーモデルがそうである様に、このキットも内装がバスタブ状になっていて、そこにボディーを被せる仕様になっています。
両脇の、ドアと一緒に開く部分を切り離しました。
ドアの内張り部分以外は、内装に接着しました。
内装に接着して、ボディーに収めた時に位置を固定するためのフックを取り付けました。
内装を固定する位置は、キットを組んだ時の固定位置より、ドアの内張りと合う位置を優先します。
キットの位置は0.5mm程違っていましたが、多少位置が動いても問題ない様に電飾部品をレイアウトしていたので大丈夫です。
ボディーとの位置関係は重要です。
何度取り外ししても確実に同じ位置に収まる様に、内装に付けたフックとボディーの受け部分を調整します。
内装の位置がしっかり固定されていないと、フロントガラスが上手く入らなかったり、ボディーが歪んでドアがピッタリ閉じなくなってしまうので、じっくり時間を掛けて確実な位置に調整します。
ドアが開いたときに見える部分を塞ぎます。
プラ板を貼って見える部分を塞ぎました。
ここは綺麗な平面を出しておきたい部分ですので、1mmのプラ板を貼り付けています。
ドアのロック部分を追加します。
ドアを閉めた時に、ドア側のフックがピンを咥えてロックされますが、実車でもピンが確認出来ますので追加します。
今回の工作では、同じ仕組みでドアをロックさせるわけではなく、あくまでデティールのひとつです。
ちょっと形状が違うのですが、虫ピンの頭を埋め込んで再現してみました。
ピンの下にある5mmにも満たないパーツがそれです。
内装とのスキマをプラ板で塞ぎます。
0.5mmのプラ板で、ボディーと内装のスキマを塞ぎました。
内装をハメる時、引っ掛けて破損させてしまう恐れがありますので、ちょっと厚めの0.5mmのプラ板を使用し、補強もガッツリ入れています。
工作としては、ボディーの断面にプラ板を貼って成型した方が楽なのですが、実車ではボデイーから少し奥に壁が付いている部分があるし、ドアとのスキマがタイトなので、わざわざプラ板をスリ合わせてボディーの内側に接着しています。
内装とのスキマが塞がりました。
ボディーとスキマが出来てしまっている部分があるので、後でパテで埋める必要があります。
ドアのロック部分など、実車に近い雰囲気にはなったと思います。
サイドステップには滑り止めのギャザーを彫りましたが、GMCのロゴはサスガに再現できませんでした。
続いて、ガルウィング化です。
まずはドアを開閉可能にするヒンジを製作します。
0.6mmのピアノ線を曲げて、可動軸を作りました。
単純に金属線を1本通せば良いのに、ドアの天井をいっぱいに使ってクランク状に曲げたピアノ線を使います。
その理由は後述しますね。
コレをドアの天井に固定します。
プラ板を使って、ピアノ線を挟むかたちで固定しています。
ヒンジは、出来るだけドアのエッジギリギリにして、開けた時にボディーに食い込む量を最小にします。
でも、なぜか開閉する部分の断面が直線ではなく、外側に向かって膨らんだ形状をしているので、どこにも干渉せずに開閉させるためには、大きなスキマが必要になってしまいます。
こんなに大きなスキマがあっては、美観が台無しですね。
そこでヒンジを受ける部分にスキマを作って、ヒンジ自体が逃げてくれる構造にします。
受け部分に2mmのスキマを作り、ヒンジが移動できる様にしました。
ドアがボディーと干渉しても、ヒンジが移動して逃げることが出来ますから、ピッタリと閉じる事もできるし、ちゃんと開ける事も出来る様になりました。
ただ、閉じた時に出来るスキマは、手動で閉じなくてはなりません。
このヘンテコな動作は、ダンパーを追加することで解決されますので、後述しますね。
その前に、どうしてヒンジを複雑なクランク状にしたのかですが、ごらんの様にヒンジを押して引っ込ませる事が出来るようにするためです。
爪楊枝の様に先の細いもので押せば、ドアを簡単に外すことが可能です。
まだドアの内装も作っていないし、ダンパーのメンテナンスなど、ドアを簡単に外せる様にしておくと、何かと都合が良いのです。
ドアを開けた時に状態を保持できるダンパーを追加します。
実車にもエアーダンパーが付いていて、ドアを開けたままでも落ちてきたりしません。
問題は小さいので、実物と同じ機能を持ったダンパーを、どうやって作るかです。
色々と悩んだ結果、図の様な構造で製作してみました。
真鍮パイプとピアノ線でシリンダーを作ります。
A 外径0.9mm 内径0.7mmの真鍮パイプです。
長さ1cmに切り出し、片側2mmをペンチで潰して平面を作り、0.6mmの
穴を開けました。
反対側はほんの少し潰して、ロッドがやっとスライドできる口径にしました。
B ロッドは0.6mmのピアノ線です。
真鍮や銅よりも硬くて変形したりしません。
片方を90度に曲げて回転軸にしました。
C ロッドやシリンダーを固定する受け部分です。
0.6mmの穴を開けた、1mmプラ板です。
接着面積を出来るだけ大きくしたいので、台形に切り出しました。
ロッドとシリンダーを軸受けに取り付けます。
ロッドは軸受けに差し込んでから先端を潰して、抜け落ちない様にしています。
シリンダーは軸受けにNo.004の虫ピンで固定しました。
反対側に瞬着を盛って固定しています。
これで稼動するダンパーが出来ました。
ドアにダンパーを取り付けます。
ダンパーは、ドアの開閉時に邪魔にならない様に、少々ナナメに取り付けました。
実車でもこの位置にダンパーがありますが、これでもオーバースケールです。
これ以上小さく作ると強度が不安になりますので、致し方ありません。
ガルウィングを開閉可能となりました。
ダンパーの真鍮線を潰しておいたおかげで、ドアの重さ程度なら余裕で支えてくれます。
ロッドとシリンダーは金属同士なので、簡単にはヘタれませんけど、何度も開閉していると保持力が低下してくる恐れがあります。
そんな時は、ドアを簡単に取り外して、シリンダーをまたちょっと潰せば復活できるワケです。
ダンパーは両方のドアに付けたので、どちらも開閉できる様になりました。
ダンパーを付けたことで、閉める時にドアの隙間を無くす方向に力が加わることになります。
ヒンジが移動するためにできてしまっていた隙間は、普通に開閉するだけで自然に塞がってしまう嬉しい効果もあるのでした。
次回も内装の工作が続くと思います。
模型としては、電飾の工作より重要な部分ですので、手を抜かないで工作したいと思います。
2021-05-09 18:32
コメント(6)
すり合わせや 調整が大変な 作業が
つづきますね
クリアパーツの切離しも デリケートな
作業ですね
これからも楽しみにしております
by kei (2021-05-09 21:58)
ガルウイングの開閉機構は大変参考になりました。
私は別の形のヒンジで開閉させるように加工中ですが、同様に逃げを作って閉まった時の隙間を減らすようにしました。
フロントガラスのクリアパーツは加工中にヒビが入ってしまい、パーツ購入する羽目になりました。
どろぼうひげさんの製作中のパーツはキズが全く見当たらないので、感心しております。
by Ganpon (2021-05-10 01:34)
keiさん、こんばんは^^
デリケートな作業が続いていますが、ワリと好きかも(^_^*)
やっぱり、ピッタリはまると気持ちいいです
まだまだやる事いっぱいありますので、頑張ります(^^)/
by どろぼうひげ (2021-05-10 23:46)
Ganponさん、こんばんは^^
お役に立てたなら嬉しいです
開閉機構は実車には無いスキマに悩まされますよね
クリアパーツはボクも失敗しちゃって、リカバリーしましたけど、難しいですね
綺麗に切り出せる方がうらやましいです(-_-;)
by どろぼうひげ (2021-05-10 23:50)
これは待ってました!!!さすがですね~まねします!!ありがとうございますうう!!
by GIULIO PELLICCIONI (2021-05-17 12:24)
GIULIO PELLICCIONI さん、こんばんは^^
今回、問題が山積みで、どうしたら上手くいくのか随分悩みました
なにかひとつでも参考になってくれたら嬉しいです(^^)/
by どろぼうひげ (2021-05-18 00:01)