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ホバーボードと原子炉 [デロリアン製作記]

今回はホバーボードと、タイムマシン部分の原子炉電飾をご紹介します。

ホバーボードはキットに付属していませんので、スクラッチになります。
ただの板かと思ったら、結構複雑(特に裏側)で、たくさんのパーツを自作することになりました。
ホバーボード.jpg
(左上)1mmプラ板を切り出して、後ろ側をちょっと曲げてソリを作りました。
裏側の浮遊ユニットは円盤3枚の積層で済みますが、おそらくユニットを固定している板が複雑な形状で、しかもユニットに重なる部分があります。
ここは0.1mmのプラペーパーを切り出し、ユニットに押し当てながら爪楊枝の先で形を付けました。
(右上)塗装もポップな色彩で細かい塗り分けが必要です。
ボードはピンクで塗装して、ネットから拾った画像をラベル用紙に印刷して貼り付けます。
「MATTEL」マークが無い画像がありますので、注意が必要です。
(左下)完成しました。
足を固定する円台は2色のグリーンです。
シールを貼っているので、劣化しない様に半ツヤでトップコートしました。
(右下)裏側です。
3cmくらいしかありませんが、たくさんのパーツが必要でした。
磁石を仕込もうと思っていましたが、とても仕込めるサイズではありませんでした。

車内に置いてみました。
ホバーボード 車内.jpg
劇中の雰囲気アップの小物として、良い感じです。
このホバーボードは、物語の重要なアイテムですので、ぜひとも製作したいと思っていました。

さて、続いて原子炉の製作です。
キットの元パーツはこうなっていました。
原子炉 元パーツ.jpg
基部はジャバラの配管が一体成型されていて、PARTⅠで落雷を受けるアンテナを挿す部分まで成型されています。
原子炉は周りのフィンがただのブロックになっていますね。
カバーは細かいデティールまで再現されていて、これはこのまま使えそうです。
たった3パーツですが、当時のキットとしては頑張っていると思います。

基部を加工します。
原子炉 土台.jpg
微妙なテーパーまで再現されているので、パーツを加工して使いましょう。
ホースのデティールは立体感を出したいので削り取りました。
先端のアンテナ基部は切り取って、プラ版を追加しました。
黒い蒸気分離機が付くヘコミを追加しています。

キットの蒸気分離機は、削り取ってしまいました。
原子炉 削り取り.jpg
キットの元パーツにも蒸気分離機はモールドされていましたので残しておいたのですが、形も大きさも全然違いました。
しかも、実車では斜めハの字に角度が付いて設置されていますので、作り直すことにして削り取りました。
削り取った跡がバッチイのですが、どうせ見えなくなるので無視します。
プラパイプで作った2個の円筒は、原子炉電流コイルです。

蒸気分離機とエルボ配管を作ります。
原子炉 パイプ.jpg
蒸気分離機は台形の立方体で、取り付け用のアングルが付きます。
やたらと配管やチューブがここに集まるので、しっかり固定できる様に取り付け基部を作りました。
原子炉をぐるりと周ってエルボ配管へ繋がるジャバラホースはスプリングで再現しますので、エルボにスプリングを挿す段差を作っておきました。

蒸気分離機から排気口へと繋がる3本のホースも、スプリングを使います。
ジャバラっぽくて柔軟に曲がるので、ジャバラホースの再現に便利です。
原子炉 スプリング.jpg
エルボ配管へのジャバラホースもスプリングを使いますが、弾力で浮いてしまうので、0.08mmのポリウレタン線で引っ張り、ベースに引き寄せて固定しました。
エルボの取り付け基部は溶接されている表現を加えています。
たぶん、鋳造品だと思いますが、その方が雰囲気出るので(笑)

基部を張り付け、信号増幅器とジャイロスコープも工作しました。
原子炉 増幅器.jpg
原子炉基部を貼り付け、排気口へ繋がるスプリングをつなぎました。
モールド程度だったキットの状態より、かなり立体的になったと思います。
信号増幅器って、何の信号を何のために増幅しているのか全然わかりません。
見た目はモロ放熱器なので、0.3mmプラ板でそれらしく自作しました。
懐かしい形のトランジスタが2個乗っていますね。
となりのジャイロスコープはキットのまま塗装しただけです。
配線だけ追加しています。

いよいよ原子炉の電飾です。
原子炉 UVレジン.jpg
(左上)キットの原子炉の周りのフィンを削り取り、おゆまるで型を取りました。
意外と細かい凸凹があって、一度失敗しましたけど、二回目で上手く抜けました。
(右上)UVレジンを流してクリアーに複製しました。
表面張力で中心がくぼんだ形状になりますので、削って接着面を作りました。
同径のボールペンのキャップを輪切りにして側面を作ります。
中が空洞で上面がクリアーな原子炉が出来ました。
(左下)LEDは1608オレンジを2個、直列でつなぎます。
配線は0.08mmのポリウレタン線を使いました。
PICからの5Vで2個のLEDを点灯させます。
2Vでも発光するオレンジLEDだから出来る技ですね。
保護抵抗は150Ωと、ちょっと高めです。
全部で10個のLEDを同時点灯させるので、PICが扱える最大出力電流を超えない様に抑えています。
明るい方が良いだろうと抵抗値をテキトーに済ませると、消費電力が足りなくなって、光量にバラつきが出たり点灯しないLEDが出来てしまう場合があります。
(右下)対角線にLEDを円形に配置しました。
2個×5本で10個のLEDを配置しています。
発光部分は円周に近い場所ですが、LEDは出来るだけ中心に寄せて発光させる部分から遠くに配置しています。
こうする事でLEDの光が直接見えなくなり、拡散した光が出てくるので、5個しかないLEDでも全体が均一に光って見えるようになります。
LEDの位置が決まり点灯テストがクリアできたら、マイナス線は1本にまとめ、接着面を残してUVレジンで埋めてしまいます。
配線を固定して保護する目的もありますが、LEDの光が拡散する透明な空間を作る目的もあります。

回路図です。
原子炉.jpg
PIC12F1822のSOPパッケージを使います。
5本の出力すべてに2個直列でLEDをつなぎました。
RA3への外部からの信号で、動作を変化させる機能も付けましたので、すべてのピンを使い切っています。
回路としてはものすごくシンプルですが、プログラムの力で複雑な動作を可能に出来るのがマイコンの凄いところです。

マイコンは、原子炉本体に内蔵させます。
原子炉 マイコン.jpg
(左上)SOPの12F1822は1cm程度の超小型マイコンです。
保護抵抗150Ωとプルアップ抵抗4.7kΩもチップ抵抗を使いましたので、1.5cm程度の制御装置となりました。
動作確認が取れたら、円盤状のプラ版上にエポ着で固定してしまいます。
(右上)UVレジンの透明部分を、まずは白で塗装します。
0.08mmポリウレタン線で配線したので、マイコンを浮かせて塗装することが可能です。
この後MSグレーで塗装しますが、最初に白で塗装しておくと、光が内部でたくさん反射して拡散しやすくなります。
シルバーでも構いませんが、シルバーは塗膜が弱いので、後から塗膜を削って発光させる工作の場合は、あまりお勧めできません。
(左下)MSグレーで遮光塗装した後、エポ着でマイコンユニットを接着します。
側面のパイプを接着しても、余裕で収まる高さです。
配線はプラス、マイナス、制御信号線の3本が出てきます。
(右下)側面には放熱用と思われるフィンがたくさん付きます。
フィンの間隔や高さが同じで揃っていないとカッコ悪いですね。
そこで、0.3mmプラ板に細切りプラ版を3本貼り付け、スライスすることで同じ形状をたくさん作ります。
金太郎アメの要領ですね。

発光部分を作って仕上げです。
原子炉 電飾.jpg
(左上)フィンを側面に貼り付けました。
実車のフィンは5枚ありますが、スケール的に3枚が限界でした。
それでも、キットのブロックだけよりは立体的になったと思います。
(右上)MSグレーで塗装しました。
MSグレーは少量シルバーが入ったメタリックで、金属表現に向いています。
実車ではかなり退色しているので、最後にウエザリングを加える事になります。
キットではぐるりと一周フィンが付いていましたが、後から蒸気分離機の間には台形の箱が付いている事が判明しました。
この後ご案内する動画には、まだ箱が付いていません。
(左下)発光部分を作ります。
上面のスリットのうち、6割くらいが発光しますので、0.4mmタガネで塗膜を削って光が出てくる部分を作ります。
多少失敗しても、MSグレーは遮光性があるのでタッチアップで修正できます。
ここがキモですので、慎重に削ります。
(右下)仕上げにパイピングします。
フィンの下に、2本のチューブが這っていて、これまた蒸気分離機に繋がっています。
シルバーに塗装した耐熱配線(AWG32)を使いました。
フタもMSグレーで塗装して、キャップをイエローFS13538で塗装し、内側の半円をエナメルブラックで筆塗りしました。
最後につや消しでトップコートして、この後の汚し塗装の食いつきを良くしておきます。

取り付けて完成です。
原子炉 完成.jpg
ベースに接着して完成です。
シルバーでドライブラシしたり、エナメル茶で汚したりしています。
1円玉と比較して頂くと、大きさを把握して頂けると思います。
こんな小さなパーツをチマチマといじっていたワケです。

原子炉は、通常は明減していて、タイムトラベルを開始すると光が回りながら段々明るくなり、最大光量となります。
タイムトラベルが終了すると、回転が減速しながら消えていき、また明減状態に戻る様にプログラムしました。
ここまでの製作過程や動作の様子を2分程度にまとめて、YouTubeに公開しました。

実際の動作の様子を、ぜひご覧ください。

よろしくお願い致します。

コメント(2) 

コメント 2

Ganpon

凄いです!
こだわりも、それを実現する技術も、唖然としました。
続きが楽しみです。
by Ganpon (2022-01-11 00:13) 

どろぼうひげ

Ganponさん、ありがとうございます^^
今は資料が揃っていて、調べようと思えば調べられる便利な世の中ですね
引き続きがんばりますので、よろしくお願いします(^^)/

by どろぼうひげ (2022-01-15 19:14) 

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