SSブログ

Xmas Tree 製作編 [デロリアン製作記]

久し振りの更新です^^
運転席の後ろにある、フィールド・コンテインメント・システム表示器(長いし何の事かわからんので、以後は通称のクリスマスツリーで)を製作しました。

実物を同じスケールで製作すると、かなり小さく作らなければなりません。
コレね.jpg
当初は光ファイバーを並べて植えて再現しようと思っていたのですが、大量のLEDを遮光してひとつひとつ繋いだら、かなり巨大なスペースが必要になります。
車内にはそんな余裕はありませんので、LEDを直接並べる事にしました。
実物よりLEDの数を減らして、8個×6列(48個)にしましたが、それでもオーバーサイズです。
これ以上小さくするとハンダ付け出来ないので、悔しいけど妥協しました。

パネル.jpg
横10mm、縦15mmの透明プラ板に、格子状の升目を彫り、1005(1mm×0.5mm)のチップLEDを貼り付けていきます。
通常使っているのが1608(1.6mm×0.8mm)なので、それの約半分の大きさの極小LEDです。
LEDの端子には、予めハンダを乗せておいて、エポキシ接着剤をチョイ付けして並べていきました。
下から緑4段、黄色3段、赤1段で並べています。

マトリクス配線.jpg
配線は横をプラス、縦をマイナスにしたマトリクス配線です。
全部点灯させるなら、いっぺんに配線すれば済みますが、今回は劇中の様に縦に上下する動きを加えたいので、こんな面倒臭い配線をしています。
0.08mmのポリウレタン線の被覆を溶かした、極細の銅線を使います。
お互いがショートしない様に、プラスの線は下に迂回して這わせ、マイナスの線は空中を渡らせてハンダ付けしていきます。
1列出来たら、ボタン電池で点灯テストをして、ショートしていないかテスターで導通をチェックします。
細かくて見えないので、ほぼ勘でハンダ付けしていますので、48個のハンダ付けに3日掛かりました。

完成した発光部分です。
LED配線.jpg
すみません。ハンダ付けが完了した写真を撮り忘れました。
再度点灯テストを行ったら1箇所ミスがありましたので修正し、配線も縦横まとめてからエポキシ接着剤で固めてしまいます。
ちょっと触れたら断線してしまう様なデリケートな回路ですので、樹脂で固めてしまいました。
1円玉に乗ってしまうサイズですが、ちゃんと48個のLEDが並んでいます。

XmasTree.jpg
コレを、マイコンでダイナミック制御します。
マイコンはPIC16F648Aと、「電飾しましょっ!2 PIC編」でご紹介したSOPタイプがあるチップです。
だいぶ古いPICなのですが、SOPパッケージがあって、足のピッチが広くてハンダ付けしやすく、I/Oの数がたくさんあるPICとなると、選択の幅は狭くなります。
それでも、アルディーノやラズパイを使うよりコンパクトで低コストで済みますから、模型にはPICで十分なんですよね(性能的にはだいぶ劣ります)
PICの出力をプラスに使って、マイナスはTD62083という入力があるとマイナスに繋いでくれるシンク・ドレインICを使います。
PICの端子で直接マイナス制御すると、最大8個のLEDの消費電力を食らって壊れてしまうため、このICでマイナスへ繋いでもらいます。

ダイナミック点灯ってなーに?という方もおられるかも知れませんので、簡単にご説明します。
ダイナミック 回路.jpg
回路は、LEDを格子状に繋ぎます。
PICからA~Hのプラスの出力と、マイナスに1~6のスイッチが付いていると思ってください。

A~Hに、00111111と出力すると、AとBは0V、C~Hには5Vが出てきます。
点灯パターン1.jpg
この出力は横1列全部のLEDに出力されていますが、1のスイッチだけONにすると、1の列だけが光りますね。
では次に、
1のスイッチを切って、00000111と出力して、
今度は2のスイッチをON、また2のスイッチを切って、
011111111と出力して、今度は3のスイッチをON、
また3を切って・・・と続けていけば、
点灯パターン2.jpg
それぞれ好きな高さの点灯状態を作れるわけです。
これが高速で切り替わっていくので、人間の眼には同時に光っているように見えますが、実際にはどこか1列が光っていて、他は消えている瞬間が続いています。
この回路の良いところは、少ない配線数でたくさんのLEDを制御出来るところで、数字をデジタルで表示している(デロリアンで言えばタイムサーキットの設定するところ)機器にたくさん使われています。
デメリットは、高速で点灯/消灯を繰り返しているので、ちらつきが発生する点です。
今回は、どこかの列を点灯させたら、4ms点灯したまま待ってから次の列の点灯をさせています。
そうしないと、点灯したと思ったら一瞬で消えてしまうので、明るさが極端に暗くなってしまうからです。
んで、表示の高さをランダムに上下させる処理が入ると、その計算の分移動スピードに違いが出て、表示させておく時間が微妙にズレます。
それがチラつきとなって出てしまうのです。
高さの増減をランダムに変化させている部分は、500msの割り込み処理を使って、一定のタイミングで行う様にしましたが、それでもチラつきを完全に治すことは出来ず、タイミングを微調整して最もチラつかないパラメーターを設定しています。
この様に、ダイナミック点灯はチラつきの調整がちょっと面倒です。
よくTVでデジタル数字がチラチラ波うって映る時がありますが、それはダイナミック点灯の切替がカメラのシャッターと干渉しているからです。
でも、ダイナミック点灯を使えば、好きな文字を表示させたり、駅のホームにある案内板の様に流れる文字を表示させたり出来るわけです。
ダイナミック点灯は、実はとても身近な技術だったりします。

今回は表示部分を製作しましたが、まだ取り付けは出来ません。
指の上.jpg
パネルを取り付けたい場所が平面ではないため、バックパネルを加工する必要がありますが、一番の問題は制御回路を取り付けるスペースが無いためです。
空いているスペースはあるのですが、内装とボディーを接着しないと出来ないスペースなので、回路をエンジンルームの裏に置く事にしました。
組み立て順序の都合から、回路の設置場所が移動した感じですね。
電飾モデラーには、よくあることです(^_^;)

ほかにも、ELワイヤーの点灯回路も追加したいので、もっと空間が必要になりました。
そこで、思い切って電池駆動をあきらめました。
DCコンバータ外し.jpg
電池を取り去り、ホルダーの接点やDCコンバータ回路を取り去りました。
これで空間は確保できましたが、手に持ってブンドドする夢は消えてしまいました。
やはり1/24ではあきらめなくてはならない部分が出てきますね。

さて、クリスマスツリーの動作の様子は、動画で見て頂いた方が伝わると思いますので、YouTubeへ動画としてアップしました。

ぜひご覧下さい!

はやくタイムトラベルがしたいです。

コメント(6) 

コメント 6

toshi

映画と同じ!!凄いです。
そうか。。。ダイナミック点灯のやり方をマスターすればこういう
仕掛けも作れるんですね!どうも難しそうで敬遠していたダイナミック点灯ですが、これをみたらやってみたくなります!!
by toshi (2021-09-18 21:59) 

はねまる

こんばんは。
ダイナミック点灯、勉強になります!!
走査線につながるわけですね。

私もデロリアンの内蔵電源は、スペース的に断念せざるを得ませんでした。自律動作したいですよね‥
by はねまる (2021-09-19 00:01) 

Ganpon

暫く更新が無かったので、どうかと思っておりました。
面倒なクリスマスツリーをマトリックス点灯させてしまうとは。。。。
繊細な造形技術に感服しました。
by Ganpon (2021-09-19 00:36) 

どろぼうひげ

toshi さん、こんばんは^^
出来るだけコンパクトにたくさんのLEDを制御したい時、ダイナミック点灯が便利です
先日のスペアナもコレを使えば作れますね

by どろぼうひげ (2021-09-19 19:44) 

どろぼうひげ

はねまるさん、こんばんは^^
送るデータ次第で文字を表示したり、流れさせたりできる様になります
LEDのハンダ付けは大変ですが(^_^*)
電池駆動はモーター制御に無理があったので、いさぎよくあきらめました
もう少し車体が大きければ、モバイルバッテリーを内蔵出来たのですが、致し方ありませんね

by どろぼうひげ (2021-09-19 19:51) 

どろぼうひげ

Ganponさん、こんばんは^^
オーナーズマニュアルが入手出来るまで、ほかの作品を作っていました
ツイッターでは、ガンダムエクシアとレイザークレストの製作状況をツイートしています
このクリスマスツリーの再現は大きなポイントなので、とりあえずクリア出来てよかったです

by どろぼうひげ (2021-09-19 19:53) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

次元転移装置Xmas Tree 完成編 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。